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個展に寄せて

 


                          高倉 信孝     医療法人社団 敬徳会 理事長

 今年も江花道子さんの滞歐新作展が開かれることとなります。江花さんとの出会いは、2004年の個展の際文章を寄せられたイフクリニック院長の石川孝次君、彼は私の高校時代の同級生ですが、彼と共にローマを旅した際、夫君の中田吉彦先生にローマ市内を案内していただいた時から始まります。先生は確か、横浜国立大学卒業後ローマに留学され、江花さんと知り合われたとお聞きしております。先生は更にローマ大学医学部へと進み、現在ローマ市内で日本人として唯一の開業医をなさっている異色の先生です。同業者として、又、その多彩な才能と共に興味を持っておつきあいさせてただいております。一方、江花さんは先生の生活を支える内助の功と共に御自身の独特の絵の世界を展開せられて数々の賞を受賞されています。

 銀座、文藝春秋画廊で初めてお会いし、屈託のない素直で素朴な御人柄に接し初対面を忘れたようにお話をいたしました。その時初めて江花さんの作品に接しました。絵画に関しては素人である私にとっても江花さんの独自の絵のスタイルがあることに気づきます。一枚の絵の内にいくつもの物語があります。街のざわめき、恋人達の会話が聴こえてきそうな、そしてなによりも音楽が身近にあって多用されているコバルトブルーの色が幻想的で大人のおとぎ話の様だと感じています。又、今回はベネツィアの海の風景も展示されるようで大変楽しみにしております。御自身は体力の低下を嘆いておられますが、私には又一つ新しい境地の世界が開かれたように思っております。

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